骨折について
◆ 骨折
- 「骨折」とは？
1. 骨が折れて変形したもの。
2. ポッキリとは折れていないけれど骨にヒビが入った、傷がついたもの。
3. 骨には異常はないが、骨膜が傷ついたもの。
（鎖骨骨折）
（上腕骨内顆骨折）
- 「骨」の構造は？
1. 骨質 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 骨の硬い部分。
2. 軟骨質 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 骨の両端にある柔らかい部分。
3. 骨髄 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 骨の中心部。
4. 骨膜 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 骨質にピタッとくっついている薄い膜のこと。
- 注意を要する「骨折」は？
1. 神経損傷 ‥‥‥‥‥‥ 神経が骨折片によって傷つけられたものです。
下腿骨骨折などの続発症であるコンパートメント症候群は緊急処
置が必要となります。
2. 複雑骨折 ‥‥‥‥‥‥ 開放性骨折とも呼びます。外出血を伴ったものは初期消毒と救急処
置が必要となります。
- 「骨折」の分類
1. 原因による分類
a. 外傷性骨折 ‥‥‥‥‥ 通常の骨折であり、ケガによる骨折のことです。
b. 病的骨折 ‥‥‥‥‥‥ 骨の耐久力が低下して起こる骨折のことです。
骨粗鬆症（こつそしょうしょう）、骨腫瘍などで見られることがあります。
c. 疲労骨折 ‥‥‥‥‥‥ 骨に対する過度の負荷によって起こる骨折です。
2. 部位による分類
a. 骨幹部骨折 ‥‥‥‥‥ 長管骨の胴体部分で上・中・下に分類します。
b. 骨端部骨折 ‥‥‥‥‥ 長管骨の両端で近位・遠位に分類します。
3. 程度による分類
a. 完全骨折 ‥‥‥‥‥‥ スパッと折れているものです。
b. 不全骨折 ‥‥‥‥‥‥ 一般にはヒビ。 一部分がつながっている骨折のことです。
4. 骨折方向による分類
a. 横骨折 ‥‥‥‥‥‥‥ 骨から見て横方向に骨折線のあるものです。
b. 縦骨折 ‥‥‥‥‥‥‥ 骨から見て縦方向に骨折線のあるものです。
c. 斜骨折 ‥‥‥‥‥‥‥ 骨から見て斜め方向に骨折線のあるものです。
d. 螺旋状骨折 ‥‥‥‥‥ らせん状に骨折線のあるものです。
e. 複合骨折 ‥‥‥‥‥‥ 上記の骨折線が複合したものです。
5. 骨折数による分類
a. 単発骨折 ‥‥‥‥‥‥ １本の骨が１ヵ所で骨折したものです。
b. 複数骨折 ‥‥‥‥‥‥ １本の骨が２ヵ所で骨折したものです。
c. 重複骨折 ‥‥‥‥‥‥ １本の骨が３ヵ所以上で骨折したものです。
d. 多発骨折 ‥‥‥‥‥‥ ２本以上の骨が同時に骨折したものです。
6. 外界との交通による分類
a. 単純骨折 ‥‥‥‥‥‥ キズ口が見当たらない骨折のことです。
b. 複雑骨折 ‥‥‥‥‥‥ キズ口を伴う骨折のことです。 （複数骨折と混同しないように !! ）
7. 外力の侵入部位による分類
a. 直達性骨折 ‥‥‥‥‥ 外力が直接加わった部位での骨折のことです。
b. 介達性骨折 ‥‥‥‥‥ 外力が加わった部位から離れた部位での骨折のことです。
8. 外力の波及による分類
a. 剥離骨折 ‥‥‥‥‥‥ 骨に付着している腱により骨がめくれてしまった骨折のことです。
b. 屈曲骨折 ‥‥‥‥‥‥ 外力により骨が屈曲変位したものです。
c. 圧迫骨折 ‥‥‥‥‥‥ 強い圧迫外力によって骨が押しつぶされた骨折のことです。
d. 剪断骨折 ‥‥‥‥‥‥ ハサミのように逆方向の強い外力に剪断された骨折のことです。
e. 捻転骨折 ‥‥‥‥‥‥ タオルを捻ったような外力による骨折のことです。
f. 粉砕骨折 ‥‥‥‥‥‥ 文字どおり粉砕された骨折のことです。
g. 陥没骨折 ‥‥‥‥‥‥ 頭蓋骨などの扁平な骨が陥没するような骨折のことです。
h. 破裂骨折 ‥‥‥‥‥‥ 頭蓋骨で強い外力により圧迫粉砕する骨折のことです。
9. 時系列による分類
a. 新鮮骨折 ‥‥‥‥‥‥ 骨折後、あまり時間の経っていないものを指します。
仮骨（かこつ）が硬化していないものです。
b. 陳旧性骨折 ‥‥‥‥‥ 骨折後、一定以上の時間が経過したものを指します。
仮骨がすでに硬化したものです。
折れているかも ‥‥‥ ? と感じたら夜間・休日に関係なくすぐにご連絡下さい。
